Azure AD サポートが提供する [ご支援に関する Q&A]

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こんにちは。Azure & Identity サポート チームの関口です。

今回は、Azure AD サポート窓口の対応に関する Q & A をおまとめしました。
本記事は Azure & Identity (Azure AD) サポートを念頭に置いたものですが、基本的には Azure サポート全般に当てはまります。
Azure サポートに関する公開情報は以下のものがありますが、より具体的なサポート シナリオについて本記事で説明します。

サポートに関する FAQ | Microsoft Azure
Azure のサポート プランの比較 | Microsoft Azure


▼ お問い合わせの発行 / 対応終了 / 再オープンについて

Q. 問い合わせを発行したテナントと異なるテナントの調査は受け付けてもらえますか?

A. 原則受け付けることはできません。

お客様が発行するお問い合わせはテナントに紐づいています。Azure AD に関する技術サポートはサポート契約が存在するテナントを対象としているため、サポート契約の有無を客観的に判断することができない異なるテナントの調査は原則承ることができません。

Q. パートナー契約を締結している場合、問い合わせを発行したテナントと異なるテナントの調査は受け付けてもらえますか?

A. 調査対象のテナントよりお問い合わせを発行してください。

パートナー契約 (Cloud Solution Provider 契約) を締結いただいているお客様におかれましては、エンドのお客様のお問い合わせを代理で起票いただくシナリオは多いかと存じます。この場合、調査対象のテナントからのお問い合わせをお願いします。
何らかの事情により、エンドのお客様のテナントからお問い合わせが発行できない場合は、お問い合わせ発行時にその旨 (お問い合わせが発行できないご事情) をご記載ください。お問い合わせをいただいた上で、サポート担当が個別に確認をさせていただきます。

Q. 問い合わせ終了後の再開は可能ですか?

A. サポート契約が有効であれば可能です。以前のお問い合わせ番号を明記の上、新規のお問い合わせ発行をお願いします。

お問い合わせ対応の終了 (クローズ) は、お客様のご了承をいただいた場合、あるいは一定期間ご連絡をいただけなかった場合にサポート担当が実施します。
対応終了後でもご質問があったり、事象が再発した場合、サポート契約が有効であればいつでも対応を再開することが可能です。その際には、以前のお問い合わせ番号を明記の上、新規お問い合わせの発行をお願いします。以前のお問い合わせ番号を確認し、対応経緯を把握した上でサポート担当からご連絡差し上げます。


▼ ご支援の方法について

Q. 問題の原因究明をしてもらうことは可能ですか?

A. 問題解決の過程で判明した原因であればお伝えすることが可能です。

Azure AD などのクラウド環境に関する技術サポートでは、発生している障害の解消を目的とした支援を提供します。問題解決のために必要な原因調査を実施し、調査過程で判明した原因に関する情報は基本的にお伝えさせていただきます。しかしながら、原因究明それ自体を目的とした調査は承ることができません。

(例) ユーザー アカウントの属性値変更を実施したところエラーにより変更できなかった。改めて変更してみたところ問題なく変更でき、以降は事象は発生しない。なぜエラーとなったのか原因が知りたい
→ 事象は解消されており、原因究明を目的とする問い合わせとサポート担当が判断する可能性があります。その場合は調査を承ることができません。

なお、ご利用のオンプレミス環境において、たとえば Windows Server が関係する障害の原因究明調査については、マイクロソフト ユニファイド サポート 契約Premier サポート契約 において有償で承ります。

Q. 今日中 (指定日中) に問題を解決してほしいのですが…

A. 解決日時のお約束をすることはできませんが、お客様のご状況を考慮して最善を尽くします。

お客様のご状況をヒアリングの上、可能な限り早期にご案内できるように善処いたします。具体的な対応のスピード感や案内目途については、ケース バイ ケースでサポート担当が判断いたしますが、お客様とご相談の上決めさせていただきます。

Q. サポートでは対応できない問い合わせの具体例を教えてください。

A. 以下に詳細をご説明します。

基本的にサポートのご支援範囲は以下の 2 項目となります。

A) 障害対応
B) 公開情報 / 事例レベルの一般的な Q & A 対応

一方で、以下に該当するお問い合わせは、アドバイザリやサポート契約で対応可能なご支援を超えるものとなり、原則は承ることができません。

・お客様の要件に沿った設計やアーキテクチャについてのアドバイスやキャパシティプランニング
・お客様が作成したコードのレビュー
・アプリケーションや構成のチューニング (パフォーマンスのチューニングなど)
・お客様の作業手順のレビュー
・お客様の運用方針や要件に沿ったスクリプトの提供
・事例や公開情報レベル以上の詳細な仕様の検証および調査
・事例や公開情報レベル以上のお客様の特殊な要件を満たすためのソリューションや実現方法に関する調査
・所定のメール回答以外の報告書作成
・今後の機能拡張および不具合の修正状況に関する定期的なご報告

(例) Teams などのオンライン会議への参加
サポートの支援は、基本的にある 1 つの問題 (障害) に対しての解決策の提示を目的としています。そのため、問題を解決するための情報収集という観点からオンライン会議にサポート担当が参加することはあります。しかし、複数の課題に対してのアドバイスを差し上げることを目的とした会議、お客様とのディスカッションを目的とした会議への参加に応じることは基本的にはできません。また、会議の日程についてはご支援を提供するサポート担当のスケジュール調整が必要となり、必ずしもご要望に沿えない場合があります。

(例) 電話や画面共有などによる作業手順の認識合わせ
サポートの支援は、原則お客様の質問への応答や、具体的な課題や問題の調査を目的としたサポートとなります。たとえば「手順の中の 〇〇 の箇所について、Azure AD の認証の観点で伺いたい」、「手順 〇〇 と 〇〇 の順序は Azure AD の観点だと問題ないか確認したい」といったように具体的な質問に対する質疑応答であれば支援可能です。
一方で、お客様の作業手順の妥当性の確認や、作業方針に対するアドバイザリに該当するものは、「コンサルテーション」あるいは「プロアクティブ」な要素を含みます。これらに該当するものは、原則サポートによる支援ではなく、有償対応によるコンサルティング サービスなどの個別契約をご検討ください。

(例) サポートへの設定変更の依頼
お客様環境の設定変更をサポート担当が代行して承ることはできません。例外として、テナント管理者がデッド ロックによりアクセスできず、サポート側で対処が必要なお問い合わせについては、お客様の依頼をもってサポート部門が承ることはあります。

(例)サポートからの作業手順書の提示
サポートの支援ではお客様の業務を請け負うことはできませんので、お客様の環境、構成、運用に則った詳細な手順は提供できません。あくまでも一般的な手順、公開情報に準ずるご案内を提供します。

(例) Azure ADの仕様に関する質問
クラウド側の仕様については非公開の情報もあり、基本的には公開情報でご案内していない情報は非公開であり、技術サポートからも回答を差し上げることができないとご認識ください。これは、仮に調査を行うことで仕様に関する情報をお客様にご案内できたとしても、クラウドの特性上、その時点の仕様が将来変更される可能性があるためです。

(例) API や PowerShell スクリプトの提供
サポートの支援は開発、運用の請負を請け負うことはできませんので、基本的にはスクリプトなどの提供はできません。過去事例などからスクリプトを提供できる場合であっても、あくまでサンプルスクリプトとして提供します。


▼ お問い合わせの分割をご依頼するガイドライン

Q. 追加質問をした際に、問い合わせの分割依頼を案内されました。1 つの問い合わせの中で対応していただけないのでしょうか。

A. 原則は一問一答でご案内を差し上げております。サポート担当より新規発行の依頼がありましたらご協力をお願いします。

Azure のサポートは一問一答を原則としており、必要に応じてサポート担当がお問い合わせ内容の検証を行った上でご案内を提供しております。何をもって一問一答と定義するかをお客様が判断するのは、正直なところ難しい側面があるかと思います。

たとえば、「Azure AD PowerShell で特定のユーザーを確認するコマンドと、特定のグループを確認するコマンドを教えてほしい」というお問い合わせに対して、「ご質問がユーザーとグループで分かれているので、 2 つお問い合わせを発行ください」というのは一問一答の粒度が細かすぎて、お客様への負荷だけが大きくなってしまうことは理解しております。

一方で「Hybrid Azure AD Join の構成手順について教えてほしい」というお問い合わせに対して、構成手順の参考になる技術情報をご案内したところ「手順 1 は XXX のシナリオで実行しても問題ないのか?」「手順 2 のロジックがわからなかったので詳細を説明してほしい」「手順 3 は自身の環境でも必要な手順なのか、代替可能な方法はないのか?」といったご質問をいただいた際は、1 つのお問い合わせですべてをご案内することは困難です。構成手順の項目毎やお客様が疑問を抱えるシナリオをすべて網羅してご案内を差し上げることは膨大な確認と調査の時間が必要となるためです。

もちろん、上記と類似したお問い合わせに対して、コマンドやオプションのわずかな差異によって確認や検証に一定の時間がかかると想定された場合は、お問い合わせの分割依頼をさせていただくこともありますし、逆に、特定の機能の構成手順や仕様確認で多数のご質問をいただいた際に、分割のご案内をせずに 1 つのお問い合わせで網羅的にご案内を差し上げる場合もあります。

そのため、1 つのお問い合わせで承る内容は、原則一問一答をベースとしておりますが、お問い合わせの内容 / 確認に必要な想定時間 / お客様のご状況 といった諸要素を加味した上で、対応を承るサポート担当が都度判断をさせていただいております。

以下の例もあわせてご参考ください。

(例) 条件付きアクセスで複数のユーザーからブロックされた旨の申告があったので、それぞれの事象を調査してほしい
複数のユーザーが “同様の事象により” ブロックされた場合は基本的に承ることが可能です。(確認を行うユーザー数によっては調査の方法を相談させていただく場合があります)
複数のユーザーが “異なる事象により” ブロックされたことが想定される場合は、調査対象となるユーザー毎にお問い合わせを発行いただきます。(確認を行うユーザー数が少ない場合は 1 つのお問い合わせで承る場合もあります)

(例) 条件付きアクセスのサインインの頻度の仕組みを教えてほしい
ご案内可能です。
しかし、案内後に「XXX というシナリオの場合はどのように動作することが期待されるか?」「YYY というシナリオの場合はどうか?」といった質問をいただいた場合は、基本的にはそれぞれのシナリオでお問い合わせの発行を依頼しております。(質問の内容や量に応じて 1 つのお問い合わせで承る場合もあります)
また、期待される動作や仕組みの回答を差し上げた後で、回答とは異なる想定されない動作が確認できた場合、その動作を調査するために新規のお問い合わせの発行をご依頼する可能性があります。

Q. 問い合わせのやりとりの中で、サポートから問い合わせの分割依頼を案内されました。サポート側で発行はしてもらえないのでしょうか?

A. 原則はお客様にお問い合わせの発行をご依頼しております。

調査の状況により新規でお問い合わせの起票をご依頼するケースにおいても、その起票は恐れ入りますがお客様にて実施をお願いします。お客様情報の取り扱い上、間違いのないようにお客様側で対応いただくことをお願いしております。お問い合わせ発行の際に、関連お問い合わせの番号を添えていただければ、サポート内で連携を行い、可能な限りスムーズにご案内を差し上げますのでご安心ください。

Q. 問い合わせのやりとりの中で、オンプレミス観点での調査が必要と伺いました。この場合は継続の調査は受け付けてもらえないのでしょうか?

A. オンプレミス製品のご支援は Premier / Unified 契約、または一部のオンプレミス製品を対象としたサポート契約のみ承ることが可能です。

これらに該当しないサポート契約からのお問い合わせの場合、調査の過程の中でオンプレミス観点での調査やご案内が必要と判明した際は、それ以上のご支援を承ることができません。

(例) Azure AD Connect でオンプレミスから Azure AD に同期を構成している環境で、大量の同期ユーザーの削除が発生した。Azure AD Connect の観点で調査を承ったものの、ユーザーの削除はオンプレミス側で発生していることを確認した
→ この場合は、オンプレミス側でユーザーの削除が行われたことが起因した事象となるため、オンプレミス観点での調査が必要となります。

Q. 問い合わせのやりとりの中で、別製品 (オンプレミスではない) での調査が必要と伺いました。この場合は継続の調査は受け付けてもらえないのでしょうか?

A. 複数製品が関連した事象に関するお問い合わせについては、Premier / Unified 契約のみ承ることが可能です。

例を挙げて解説します。

たとえば、「条件付きアクセスの準拠済みポリシーを構成したところ、特定の端末からのアクセスがブロックされる」というお問い合わせがあったとします。この場合、まずは Azure AD の担当が、なぜブロックが行われたのか調査を行います。調査の結果、条件付きアクセスの準拠済みポリシーによってアクセスがブロックされている場合は、対象の端末が準拠済みであるかどうかを確認します。そして、もし対象の端末が準拠済みとなっていない状態であれば、条件付きアクセスでブロックされることは想定された動作となります。Azure AD 担当からのご支援は以上となります。そして、なぜ対象の端末が準拠済みとなっていないのかの調査は、Microsoft Endpoint Manager (Intune) サポートにて承ることになります。

このように、1 つの事象に対して複数の製品 (Azure AD と Intune) が関連する場合は、Premier / Unified 契約以外の場合は、異なる製品の対応が必要と判明した時点で、お客様に Azure AD と Intune それぞれでお問い合わせを発行いただく必要があります。もちろん、”異なる製品側” のサポート契約をお客様がお持ちでない場合はサポートを承ることはできませんので、この点はご注意ください。

Premier / Unified 契約の場合は、このように異なる製品の対応が必要となった場合でもサポート内部で連携を行い、スムーズにお客様にご支援を提供できるように対応します。たとえば、各サービスに依存する事象ではあるものの、Azure AD とその他製品の双方の動作や仕様を考慮してご案内を差し上げる必要があるといった場合においてサポート内部で担当者間の連携を緊密に行った上でご支援します。(Premier / Unified 契約の場合でも、お問い合わせの番号自体は各サービス / 製品に応じて発行していただくことになります)


▼ サポート契約・ライセンスについて

Q. サポート契約がない場合でも支援してもらうことは可能ですか?

A. サポート契約がない場合は支援をご提供することができません。

サポート契約をお持ちでない場合は、Azure ポータルから「サブスクリプションの管理」と「課金」のカテゴリを選択いただけますが、ここで案内可能なお問い合わせは、これらのカテゴリに関するものだけですので、Azure AD を含む技術的なお問い合わせを承ることはできません。上記のカテゴリを選択の上 Azure の技術的な質問をいただいた場合は、基本的にご支援をお断りさせていただいておりますのでご了承ください。

サポート契約の購入を検討されている場合は、Azure のサポート プランの比較 | Microsoft Azure からご希望に沿ったサポート プランを検討いただければ幸いです。

Q. ライセンスの種類に関する問い合わせは Azure サポートで対応可能ですか?

A. 原則はライセンスの代理店にご相談ください。

お客様が利用を検討されている Azure AD の特定の機能に対するライセンス要否といった質問には、Azure 技術サポートにてご案内が可能です。一方、お客様の運用方針に沿った必要なライセンスのコンサルティングなどの支援は承ることができません。

ライセンスの購入方法や課金などのお問い合わせについては、貴社担当営業 または ライセンスの代理店 (貴社パートナー) にご相談ください。
マイクロソフトのパートナーとして、パートナー ネットワークに登録されているお客様からのライセンスの質問については、無償の窓口となる パートナー コールセンター にお問い合わせください。

上記内容が参考となりましたら幸いです。

※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。